今日もどこかでスナフキン

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2005年 08月 27日

ココロノセンタク

最深部は363m。

全国第2位を誇るこの水深のおかげで
「日本最北の不凍湖」となっている。

ここは北海道は支笏湖。

朝は随分冷え込む。





夜明け前に寝袋から這い出す。
相棒のSONYはまだ惰眠をむさぼっている。

SONYとは8歳になるメスの
ラブラドール・レトリバーである。

ヘッドライトの明かりで
手早く身支度をする。

テントの外に出ると、
びっしりと夜露が降りている。

危惧していた台風はどうやらそれたようだ。

フリースの上にレインコートを
羽織る。

最低限のカロリー補給にビスケットを
頬張る。

カヌーにロッドとタックルを積み込み
静かに湖岸を離れる。

SONYが気づいて泳いで追いかけて
くるが、乗ってこられると面倒なので
追い返す。

昨日、大量のカゲロウの羽化が見られた
ポイントに向かう。

まだあたりはうす暗いが湖岸に大きく
張り出したミズニラの木が目印なので
迷うことはないだろう。

30分ほど漕いでポイントに着いた頃には
うっすらと空が白みはじめていた。

釣りの世界ではゴールデンタイムである。

タックルはDAIKOの8’00’’のスピニングロッドに
シマノのリールを合わせた。

8LBのラインの先にはすでにフローティングミノー
をセットしてある。

まずは遠めからブレイクラインに沿って
トップウォーターから攻めていく。

カヌーといっても、オープンデッキではなく
カヤックなので、立ちこんでキャスティング
できないので、距離感がつかみにくい。

少し狙いよりそれたが、ルアーは静かに着水した。

波紋がおさまるの待って、リールを巻始める。
1投目でヒットするのはよくある事だ。

釣れないと思って釣りをする釣り師はいない。

一番緊張し、集中し、期待する瞬間である。

だが、小魚を模した10cmのフローティングミノーは
何事もなく手元に戻ってきた。

「・・・・・・・・」

釣れないと思って釣りをする釣り師はいない。

それからルアーをとっかえひっかえし、
場所を移動し、釣り続けるがアタリすらなし。

1時間も釣れないと釣り師はあきてくるものである。

気晴らしにちょっと重目のスプーンにかえて
目標もつけず湖の中心に向かって思いっきり遠投してみた。

何しろ相手は水深363mである。

どんどんルアーは沈んでいく。

「ゴツンっ」

アタリは急にきた。

ここで慌てるなと言うほうが無理である。
心臓の鼓動は2ビートから一気に16ビートに
シフトアップする。

ここで、一呼吸おいて裏拍で合わせられる
ヤツがいたらそいつは真のプロフェッショナルだろう。

だが、オレはその瞬間のけぞるようにしてロッドをたてて合わせた。

かなり大合わせだったが、うまくのったようだ。
ごつごつ感触が伝わってくる。

釣り師はこの一瞬の感触を味わんがために
生きているようなものだ。

それが、ワカサギだろうが、ブルーマーリンだろうが
変わりない。魚の大小は関係ないのだ。

しかしデカイ方がイイに決まっている。

釣り師はデカイ魚が好きなのだ。

そして、今ヒットしたヤツは間違いなく
デカイ。そして重い。

頭を下に向けて深みに逃げ込もうとする様な
感触はニジマスのようなキレのあるスピード感
は無いが、ひたすらヘビィなパワー感がある。
アメマスのデカイやつか?

ロッドは半ばほどから三日月のように
しなり、ときおりリールのドラグが
「ジーッ」と音をたてて、ラインが
でていく。

岩場にでも入られるとラインブレイクも
ありえるので、思い切ってリールを巻く。

ヤツの抵抗は唐突に止んだ。
巻くがままに引っ張られてくる。
もう少しというところで、

いきなり水面が割れて、褐色の巨大な
魚体がジャンプした。

「うおっ、あれは」

そして恍惚の時間が終わろうとしていた。
5分か10分か、もしかしたら1分もなかったかも
しれない。

慎重に魚体に触らないようにネットで
とりこむ。

全長70cm。

うねうねと動くその茶褐色の魚は
魚というより爬虫類といった趣である。

ブラウントラウト。

初めての出会いであった。

by gucchi-gt | 2005-08-27 01:48 | 絵空事 | Trackback | Comments(0)
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