今日もどこかでスナフキン

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2006年 05月 09日

Sun’s Owl

夜の森は想像以上に騒がしい。




ヨタカの物哀しい声、
トラツグミの不気味な声、
ネズミがたてる枯葉の音、

風がざわめく音、
衣擦れの音、
そして、自分の呼吸音。

視界が利かない分、普段聴こえない
音が耳にはいってくる。
聴きたいと思ってる声が、幻聴として
聴こえてくる事もある。

オレは暗い山道の脇に
うずくまって息をひそめていた。
全神経を耳に集中させて。



夜の林道を何度も走りまわった。
タヌキやシカは見かけるが、
お目当てのヤツはなかなか見つからなかった。

大きな洞のある木をみつけては、
その下にあるべき痕跡を探すが、
これもそうそう見つかるものではない。

早朝の森で朝帰りするヤツを見かけることもある、
夜、車で山道を走っていると、頭上を飛ぶのを見ることもある。

だが、いずれも一瞬のことで、じっくり
見ることは難しい。


今日は、満月の夜をえらんで、
この森にやってきた。
夜の猛禽、フクロウの声を聴くために。

もしかしたら、声だけでなくヤツの
姿も月明かりで拝めるかもしれない。

低気圧が近づいているのはニュース
で知っていた。予想では明け方から
天気は崩れるはずだった。

だが、それは少し早まったようだ。
今、わずかばかりの視界を与えてくれる
満月を雲が隠そうとしていた。

「くそっ」と心の中で罵った時、
確かに聴こえた、幻聴ではない。
もう一度鳴いてくれ。

と、

「ホホゥ、ゴロッホ、ホッホゥ」

低い、はらわたに響く獣のような声、
オレは録音するのも忘れてしばし聴き入っていた。

もう一度鳴いた後はそれっきりだった。

録音はできなかったが、声を聴いただけで
オレの心は十分満たされていた。

これでこの森にフクロウが棲んでいるのは判った。
明日の朝、姿を探しに来よう。
と、立ち上がったとき、

雲が晴れた一瞬、どこからかともなく
飛び立ったフクロウのシルエットが
満月に浮かび上がった。

>>>>>>>>>>>>>>

翌朝、カメラを担いで見当をつけた場所にいってみると、
なにか、白っぽいものが動いたのが見えた。

双眼鏡で覗くと、間違いなくフクロウだった。
今までの苦労が報われた瞬間だった。
夢にまで見た光景が目の前にある。

オレは夢中でシャッターを切った。
白状するが、シャッターを押す指が
興奮で震えていた。

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以上、またまた脚色を加えてハードボイルドタッチで
書いてみました。

似たような事はしてますが、こんなにうまくいくほど
自然は甘くありません。今回もたまたま見つかっただけです。

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多分、フクロウのペリットです。
消化されない骨とか毛を吐き出したもの。
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この後、フクロウはもう一羽見つかり、
オオタカかノスリの古巣だと思ってた巣に
フクロウのヒナが1羽いた。
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by gucchi-gt | 2006-05-09 18:42 | 絵空事 | Trackback | Comments(4)
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Commented by HIRO at 2006-05-11 21:23 x
ハードボイルド・・・ってココまでやって前回のソニーの写真みたいに合成ぢゃないよね?(笑)
Commented by あゆっち at 2006-05-12 00:03 x
ヒナ、かわいいっ!
うまそ~。
Commented by gucchi-gt at 2006-05-12 13:21
HIRO氏、

話はともかく、写真は全然いじってないよ~。
Commented by gucchi-gt at 2006-05-12 13:21
あゆさん、

フクロウのヒナは多分おいしくないよ、なんつっても主食はネズミだろうからね。


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